投函者(三井千絵)

IFRS財団は2021年3月22日、企業価値に焦点を当てたグローバルなサステナビリティ・レポーティングへのコンバージェンスに向けたワーキンググループの設立を発表した。

IFRS Foundation Trustees announce working group to accelerate convergence in global sustainability reporting standards focused on enterprise value

 

3月8日に発表されたトラスティの声明にもあるように、このワーキンググループでは、企業価値に注目したイニティアティブと構造化されたエンゲージメント(原文:structured engagement)についての意見交換の場を提供する。2月24日にIOSCOから行われた声明にも応え、企業価値の創造について表すことができるサステナビリティ関連の開示の、国際的な一貫性を推進するための作業に着手する。

ワーキンググループは、TCFDと既存のイニシアチブの奨励事項に基づいて、気候関連の報告やその他のサステナビリティ関連トピックの基準を開発するための技術的な推奨事項を提供していく。また、サステナビリティ・レポーティングの技術的専門知識とコンテンツを、IFRS財団の下で次に作られる新しい組織(Sustainability Standards Board)に移行する方法についても検討する。

ワーキンググループはIFRS財団が議長を務め、財務報告との接続性の必要性からIASBも参加する。IOSCOはオブザーバーとしてグループに参加する。ほかには、TCFD、Value Reporting Foundation(IIRCとSASB)そして、投資家向けの重要な情報の開示をガイドするフレームワークであるCDSBも参加する。またWEFも業界を超えた指標と開示に関する作業に貢献する予定だ。GRIとCDPとも緊密に連携するそうだ。

並行して、IFRS財団はIOSCO等と協力し、IFRS財団内に複数の利害関係者の専門家諮問委員会を設立することを検討する。

 

いよいよ、グローバルなサステナビリティ・レポーティングの基準開発に向けて、第一歩が始まった。この取り組みに向けて、よく国内の関係者から「日本からも意見発信を」という声を聴く。しかし既に“日本から”という時期ではないのではないだろうか。日本の国内で議論をし、国内から発信するというのではなく、グローバルの関係者とはじめから一緒に議論をし、事業のサステナビリティとは、企業価値とは何かという議論を深めていくべきではないだろうか。

既に多くの日本企業はグローバルで事業を展開し、海外でも開示をしている。この議論に活発に参画していくために、今後のIFRS財団の動きを、益々注目していく必要があるだろう。

 

関連発表 CDSB

CDSB will collaborate on preparation of Sustainability Standards Board